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作者:須永 光

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作:須永 光

万世の轍

 2020年代以降の人類が宿すようになった「遡臓」という臓器は、前世の記憶を貯蔵する役割を持つ。遡臓を持つ人間の多くには前世があり、遡臓が活性化すると前世の記憶を思いだす。  2100年代の日本では、前世の存在が社会に受け入れられ社会構造が大きく変わっていた。  神崎真悟は、自らが極めて珍しい「前世のない人生1回目」であると知って落胆を隠せないでいた。  だがその晩、彼は謎の男と遭遇する。バケモノ並みの怪力を持つ男を前に死を覚悟するが、すんでのところで針を自在に操る男に助けられる。そして我に返ったとき、神崎の手には白い刀が握られていた。  自らも謎の能力を出したことに驚く神崎だが、その異能が「前世での記憶や経験によって引きおこされるもの」と知らされ困惑する。  前世のないはずの自分が、なぜ――。  近未来、前世の存在が当たり前に受け入れられている社会。  一部の人々が得たのは、前世の記憶をもとに出現する異能。    虐待、性被害、犯罪被害、宗教信仰、人を殺した過去、殺された過去、トラウマ、差別、偏見、揺れ動く価値観、死に際に見た景色、忘れられない人。  過去に乱され、記憶と共に生きようともがき戦う人々を精緻に描く、重厚社会派ダークファンタジー。   ※設定の一部はオマージュとなっております。また、一部の記述に関し、引用・参考文献があります。いずれも作者近況ノートに記載しております。 ※80話まで公開済でしたが、修正作業のために一部非公開としています。修正が終わったものから順次公開を再開しています。

更新:2023/8/27

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